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拷問されるキムイルソン! [チャングムな日々]

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え?これはキムイルソンじゃないだろって? いえいえ、この人は確かにキムイルソン。ただし、「王と私」という韓国ドラマの一場面で役者さんが演じているんだけど。

それにしたって、もちっと似てる役者を選べるだろうに? どうも思い浮かべていらっしゃる“キムイルソン”が違うようで。こちらは、漢字で書くと金馹孫。燕山君(ヨンサングン)王時代に実在した役人。

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向かって右側、濃い紫色のお召し物がヨンサングン王。チャングムがお仕えした中宗王の異母兄にあたる。間近で股裂きの拷問をご鑑賞中。ではなぜキムイルソンは拷問されたのか?

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史草とは、歴史書を編纂する時の原稿のこと。朝鮮王朝では歴代の王が死ぬと、○○王実録と題する歴史書を作成していた。ただしその原稿たる史草は王の生前から史官により書かれており、死後に設置された実録庁がこれを点検し編集して実録が出来上がる。史草は、王といえども見ることの許されないものだった。「王様が見るってわかってたら、本当のことや都合の悪いことが書けなくなる。それでは公正な歴史書とは言えない」という大変立派な趣旨による。

ヨンサングン王の時代には、父王である成宗の実録を作っていたわけだが、当時実録庁にいた高官の一人であるイ・グクトンって野郎がとんでもねー奴だった。かつて、キムイルソンの師匠である金宗直が旅先で書いた「弔義帝文」なる文章が史草に載せされている上、キムイルソンがそれに賛同する意見まで書いているのを史草点検中に発見し、上司に告げ口してヨンサングン王に報告するよう言い立てた。イ・グクトンは、自分の不名誉な行跡をキムイルソンによって史草に載せられ、「削除してくれ」と泣きついてもすげなく拒否され、ものすごーく怨んでいたから。

「弔義帝文」は、表向き項羽によって殺された楚の懐王を哀悼する内容だが、当時としてはかなりトゲのある文章だった。何故なら、ヨンサングン王の曾祖父に当たる世祖(セジョ)王は甥に当たる瑞宗から王位を簒奪していて、暗にそれを風刺しているような代物なので。

でも上司は流石に渋った。そりゃそうだ。いくら先代王実録の史草とはいえ、王様は見てはいけない決まりである。それじゃってんで、イ・グクトンは柳子光なる重臣の元に駆け込んだ。柳子光は柳子光で、キムイルソンの師匠・金宗直に恨みがあったものだから、速攻でヨンサングン王に告げ口。「俺の正統性を否定しやがった」と激怒した王様に拷問され、処刑されたという次第。

ちなみに、師匠の方は既に死去していたため墓を暴いて遺体の首を切る「剖棺斬屍刑」に処された。
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コメント 7

葵ママ

shin様
niceありがとうございます。
by 葵ママ (2009-11-23 10:24) 

ももんが

いつの時代も、卑怯なエライ人とかわがままな王様とかいるんですねえ。
っていうか、まともな人のほうが少ないんでしょうか。
このキムイルソンさん、某国の方よりかっこいいですね。
by ももんが (2009-11-24 07:29) 

葵ママ

ももんが様
まあ、ガリガリ儒学を勉強して科挙に受かった秀才君タイプが朝鮮史を読んでると結構出てくるんです。特に、中期から後期にかけては、主張の合うもの同士党派を組んで闘争を繰り広げるわけで。

中でも特に生真面目な連中は、王様相手でもがんがん正論をぶっ放すし、上訴文を書きまくる。それを仕事にしてる役所がちゃんとあったんですよ。寛容に聞いてあげないと、聖君じゃないと言われるんだから王様もつらい。中にはそこで丁々発止議論しちゃう頭のいい王様もいるんだけど、大抵は秀才官僚に太刀打ちできない。いらついた挙句、大粛清を繰り広げ、クーデターで返り討ちにされたのがヨンサングン王なのです。
by 葵ママ (2009-11-24 23:16) 

雀翁

股裂き...考えただけでも痛いですね、私ならすぐ「書き直します」って言ってしまいそうです。

中国・韓国の歴史に対する思いは、私たちの想像を超えたものがあるようですね。多かれ少なかれ、歴史は後世によって意図的に書き変えられるのが世の常のようです。日本史の授業が1940年あたりで終わってしまうのも、あきらかに意図的であるとしか思えません。

ソウル郊外の水原の民族村に行くと、拷問道具も展示されています。

by 雀翁 (2009-12-02 08:50) 

葵ママ

韓国の歴史ドラマを観てると、この股裂きが結構出てくるんですよね。でも、やられてる方の苦しげな割には執行人があまり力入れてないように見えるので、「もちっと演技指導したほうがいいんじゃないかなぁ」と呟いたら、息子に言われました。

「やだなぁ、母者。てこの原理だろ、これは。少ない力で効果絶大ってわけで」
「そっかぁ!アルキメデスは言ったよね・・・私に支点を与えよ。そうすれば地球を動かしてみせようって」

水原の民族村、ぜひ行ってみたいです。ローテンブルクの拷問博物館みたいな展示だったら楽しそう・・・
by 葵ママ (2009-12-04 17:39) 

Tarot-Reader

始めまして。
古い記事へのコメントですみません。

新しい記事もぼちぼち読ませていただきたいと思います。

実は、イ・グクトンの5代後の子孫・イ・イチョムについて書きたいと思っており、よろしければこちらの記事を拙ブログにリンクさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
by Tarot-Reader (2010-07-25 09:46) 

葵ママ

Tarot-Reader様
はじめまして。nice&コメントありがとうございます。

リンクOKです。

>イ・グクトンの5代後の子孫・イ・イチョム
・・・どっかで聞いたなぁと思ったら、「ホ・ギュン」に出てきますね。ほかのドラマで忙しくてまだ視聴していませんが、なんと言っても本人は初の本格派ハングル小説「洪吉童伝」の著者。その姉は高名な女流詩人、許蘭雪欄・・・いずれ見なくてはと思ってます。
by 葵ママ (2010-07-25 14:09) 

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